学生の皆さん、こんにちは。生まれも育ちも藤枝市、成人を迎えた息子を持つ専業主婦の笑子です。前回に引き続き(株) 松永製作所社長の松永さんにお話を伺いました。

厳しい時代を経て
製造業の現場は常に変化し続けており、時には世の中の経済状況にも大きな影響を受けて、厳しい危機を迎えることもあります。不況を乗り越えるために、とにかくどんな仕事を受ける姿勢だった時期もあり、大手企業との価格競争に泣いた時期もあるといいます。過去の困難を乗り越えるための経験は今後の貴重な教訓となっているそうです。
今までは地場の顧客が多く、出来ることを受注するに留まっていたそうですが、松永社長が就任された時「視野を広げよう」と決意されたそうです。
挑戦と展望の拡大
「まずは会社を知ってもらうところ」から、と『X(旧Twitter) 』を使って情報発信を始めました。その結果、全国の企業と繋がりを持てるようになりました。
「今まで知らなかった業界の仕事を紹介してもらうと、『出来ない』と思っていたけれど、今まで製造していたものと形状が近いとわかるケースもありました。価格についても、気がつかなかった部分を知れて利幅が上げることもできました。経験がない業界への参入によって、『自分たちにはまだまだ伸びしろがある』と実感しました。自分たちの強みをもっと大切にしていこうと思っています」と松永社長は語ります。
社員の成長を支える
現在の従業員数は10名。少数精鋭の企業です。つまり、一人一人が重要な役割を担い、責任ある仕事に携わることができます。
同社では機械ごとに担当を決めて製造を行っています。一見『個人プレー』に見えますが前後の工程と連携がとれていなければ良い製品にはなりません。
「『個人プレー』+『個人プレー』=『チームプレー』であるということを認識して欲しい」と松永社長。
手に職をつけるといいますが、工場の仕事はまさにそれだと思います。最近では1品モノの部品注文が増えてきているそう。そこで経験のない仕事を新人にチャレンジする機会を与えることもあります。職人からすると「面白い仕事」が増えてきているのです。学習できる機会が増えると引き出しが増えます。
同社に転職してきた職人さんは、社長が長時間悩んでいたことも「こうすればいいよ」と、サッと解決策を出してくれたとか。経験値、知識が身につくというのは大きいと、感じたそうです。

働く環境の改善

年間休日を、5年後を目途に増やせるように考えているといいます。(年間休日 105日→110日)
また、誕生日休暇についても検討中です。
女性については、入社時から生理休暇10日を付与しています。
中学卒業後に就職した方には、運転免許取得時に補助金を出しています。
社員個人の時間を大切にしているので、飲み会や社員旅行というものはありません。希望してくれた場合は入社祝いとして社長夫妻と食事会を設けることもあります。
就職を考えている学生の皆さんへ~松永社長よりメッセージ~
挨拶、コミュニケーションというのは仕事をする上でも大事なことです。たかが挨拶、されど挨拶です。小さな積み重ねが信頼や成長に繋がります。
仕事に就いたら「半年後にはこの機械を使いこなせるようになりたい」というような明確な目標を設定して学び続ける意志を持ってください。
私たちの会社には、世界に誇る技術があります。その技術を継承し、一流の職人を目指してみませんか? 若い力で技術をさらに昇華させ、「モノづくり日本」を復活させましょう。

会社情報
- 公式サイト
-
工場の設備や加工技術についても詳しく紹介しています。
- X(旧Twitter)
-
松永社長自身が発信中。仕事観や業界について語っています。新たな取引先との出会いもSNSがきっかけとなり、ビジネスの可能性を広げているとか。