「自分がつくったものが地図に残り、誰かに喜んでもらえる」。そんな大きなやりがいのある建設の仕事。でも「施工管理って専門知識がないと難しそう」「専門的に学んでいないと厳しい?」と思う方も多いかもしれません。
今回は、藤枝市で100年以上にわたり地域の街づくりに貢献してきた総合建設会社・株式会社山田組さんを訪問! 社会人と学生編集員が、入社2年目の川村 敦樹さんにお話を伺いました。大学ではスポーツ科学を専攻し、全くの異分野からこの世界に飛び込んだ若者の現在地を紹介します。

市民の生活を支える施工管理の仕事
土木部に所属する川村さん。現在は、市民の生活を支える水管橋の補強工事に携わっています。
「橋げたに乗っている水道管を丸ごと取り替える工事です。将来、一人で現場を任される『現場監督』になるため、資格取得を目指して勉強中です」

ご自宅の掛川から通う川村さん。1日の始まりは早く、朝5時半頃に起床し、7時過ぎには現場に到着します。現場に向かうと、まずは夜間に安全施設に異常がなかったかなどの巡視から始まります。8時からの朝礼でその日の作業内容を確認し、様々な会社の職人さんたちと共に工事を進めていきます。
入社後、意外なギャップは思ったよりもデスクワークが多いことだったそう。
「現場にずっといるイメージでしたが、実際は現場での作業管理が6割、事務所での書類整理が4割といった感じです」

「土木・建設に飛び込んだこと自体、挑戦でした」進路選択のきっかけと入社の決め手
大学まで野球に打ち込んでいた川村さん。専攻もスポーツ科学部で、建設業界とは全く無縁の世界にいました。そんな彼が、施工管理の仕事に興味を持ったきっかけは、大学4年時の「学生コーチ」としての経験でした。
「練習メニューを組んだり、限られたグラウンドを効率的に使えるよう調整したりする経験が、現場全体を管理する施工管理の仕事に活かせるのではないか、と就職サポートの方にアドバイスされたのがきっかけです」

正直、最初は土木に強い興味があったわけではなかった、と率直に語ります。しかし、会社の近くに住むおじいさまや実際に働いている同級生から紹介を受け、インターンシップで山田組を訪れた際、その考えは変わりました。
「社長や社員の方々の人柄に惹かれました。特に印象的だったのは、会社の良いところだけでなく、大変な部分も正直に話してくれたことです。その誠実な姿勢に信頼感を持ち、ここで働きたいと思いました」

会社の良いところだけでなく、悪いところも正直に話してくれるのは安心ですよね。
仕事で大切にしていることは
入社当初は専門用語が飛び交う職人同士の会話についていくのも大変でした。図面の見方も分からず、真っ白な状態からのスタート。上司への報告で大事な情報が抜けてしまう失敗があったといいます。今では「聞いたことはすぐにメモを取る」ように心がけているそうです。
「まだまだ勉強中ですが、書類作成で一発OKがもらえたり、上司から『お、いいじゃん』と褒められたりすると、自分の成長を感じられてモチベーションが上がります」
川村さんは、この仕事で 「一番大事かもしれない」 と語るのが コミュニケーション です。建設現場は、下請け業者など様々な立場の人が関わる「一つのチーム」であり、良いものを作るためには円滑なコミュニケーションが不可欠だといいます。
様々な年代の方がいますが、川村さん自身も、野球の話題など共通のテーマで会話を広げ、積極的にコミュニケーションを取るよう心がけているそうです。



仕事上で必要な報連相はもちろん、ちょっとした雑談なども大切にされているそうです! 野球経験や青年会での活動など、幅広い年代の方と関わる中で培われた自然なコミュニケーション力が、多くの人と関わる現場において大きな強みになっていると感じました。
1級土木施工管理技士を目指して
一人前となるべく、勉強にも励んでいます。
「まずは机に座る練習から始めました。ちょうど先日、2級土木施工管理技士の第一次検定に合格しました。目標は1級土木施工管理技士です」
他にも、会社の支援で準中型自動車運転免許も取得。現在は2tダンプの運転も任されており、中型免許や重機操作の免許取得も視野に入れているそう。
同社では、資格取得に必要な受験費用や、遠方の試験会場までの交通費を負担してくれます。合格すれば給与も上がるため、難しい試験のモチベーションにも繋がりそうです。
進路に悩む学生さんへ


「僕もそうでしたが、やりたいことが見つからずに悩んでいる人も多いと思います。まずは色々な業種の話を聞いてみることが大切です。たくさんの話を聞く中で、自分の理想に少しでも近いもの、自分に合うものを見つけていってほしいです」
川村さんのように、実際に会社に行って話を聞いたり、自分の目で確かめたりすることがとても重要だと思います。川村さん、お話をありがとうございました!
次の記事では、カモンわかもん編集部の社会人と学生編集員が感じた、同社の魅力を紹介していきます!

