2025年、創業100年を迎えた老舗魚卸・マルイリフードサプライ。港町・焼津で育まれた漬け魚(つけうお)文化を守りながら、ネギトロ・切り落としなど多彩な製品を製造しています。天然まぐろのネギトロは、楽天ふるさと納税全国返礼品ランキング第1位に輝いたことも。伝統を守りながらも革新を続ける同社人事の坪井勇樹さんにお話を伺いました。

港から食卓まで。マルイリの強み「一気通貫」体制
焼き魚用にタレに魚を漬け込んで味を染み込ませる「漬け魚」はマルイリフードサプライの創業事業です。創業時から受け継ぐ味づくりの技を磨きながら、時代の変化に応じて新しい商品・価値を生み出しつづけてきました。現在の主力事業は、マグロの販売と加工。世界的にも漁獲制限が厳しい天然みなみ鮪を年間約300トン取り扱い、国内シェア約5〜6%を誇ります。鮪類のほかには、銀ダラ・鮭・サワラなど多様な魚種を扱っています。卸、加工/販売、保管、直販/飲食まで「一気通貫」の生産体制が、業界の中でも大きな強みになっています。
本社隣にある工場では、マイナス60℃の超低温冷蔵庫があります。収容量はなんと4,000トン。2018年に水産食品加工施設HACCP認定を取得しており、国際的な衛生管理基準に準拠した運用を行っています。超低温環境下での保管によって、魚の品質を長期間安定して維持でき、全国へ供給できるのです。

小売・飲食事業を立ち上げ 生活者との接点を
これまでのBtoBビジネスから新たな可能性を探るべく、BtoCの直営販売店や飲食店舗も展開しています。「焼津港 丸入商店 焼津本店」はその象徴のひとつです。創業100周年記念事業として2023年に開業。物販店舗やテイクアウトスタンドは、製造・加工部門と連携しており、同社の商品を購入できます。同敷地内の食事処「波(は)なれ」はお昼時には行列ができるほどの人気店です。

この「波なれ」を本社のすぐ隣に配置した理由は、「製造現場の社員にも、自分たちが切ったマグロをお客様が食べて喜んでいる様子や自分たちの味を求めて訪れてくれるお客様の姿を直接見せたい」という社長の想いから。現場の声を活かした商品改善やメニュー提案によって、実際に社員のモチベーションや商品品質の向上にもつながっているそうです。

チャレンジと感謝の社風で成長続ける
最近ではECにも注力。自社ブランドとしてマルイリフードサプライオンラインショップのほか、ふるさと納税を通じて、自慢のネギトロや目利きが選んだ鮪・漬け魚を食卓へ届けています。そのほか、水産系YouTuberとのコラボなど、ユニークなプロモーションも展開。
そんなチャレンジングな社長の口癖は「おかげさま」。お客様や食への感謝はもちろん、社員への感謝の心も込められています。社長が常に「おかげさまで100年やってこれました」と、お客様や取引先への感謝の気持ちを大事にしており、その精神が従業員にも浸透しているのが同社の特徴です。
焼津一番の福利厚生を目指して
会社の持続的な発展と社員の定着を目指し、マルイリフードサプライは現在、「焼津一番の福利厚生」を目標に取り組んでいます。
資格取得支援:業務に必要な資格の取得費用を助成。
給食補助:栄養バランスの取れた昼食を、会社補助(1/3)により実質300円以下で提供。
もしもの時の見舞金:万が一、ガンと診断された場合には、一定の条件を満たす従業員へまとまった見舞金を支給。
日本語教育:外国籍スタッフ(N3)も多く、週1回講師を招いて日本語教育を実施。
さらに、社員のキャリアパスやプライベートの充実を支援する制度も多数検討中とのこと。全国平均15.4%に対し、マルイリフードサプライの離職率は4%と極めて低いのは、こうした社員ファーストの環境の賜物です。
人事の坪井さんは「『マルイリで働いているの?すごいね!』と言われるように、会社の知名度をもっと広げていきたいです。社員が誇れるような会社をつくっていく仲間を募集しています」と語ります。
次の記事では、学生記者が若手社員にインタビュー!-60℃の冷凍庫も紹介します。
会社説明会・オープンカンパニー情報
焼津から食の未来を切り拓くマルイリフードサプライ。様々な事業にチャレンジしたい、地域に根差した歴史ある企業で成長したいという方はぜひ会社を訪問してみましょう。
