鰹節製造を手掛けるマルテ小林商店の新規事業開発部には、ペットフードの自社ブランド開発に挑む若者がいます。入社4年目の牛尾亜里紗さん。持ち前の明るさと情熱で商品化を目指して試行錯誤の日々を送っています。そのやりがいと、好きなことを仕事にする喜び、そして挑戦を後押しする会社の魅力を聞きました。
食品と動物、両方に携われる仕事との出会い
牛尾さん子どものころから動物が大好きで、食品と生き物のどちらにも関わる仕事がしたかったんです。ここでなら、その”好き”を両方かなえられると思いました!
入社4年目の牛尾さんは静岡市出身。大学では海洋学部で水産系の勉強に励んできました。
就活中、静岡県内で食品系の企業を探す中で出会ったのが、鰹節の製造を主力とするマルテ小林商店でした。
ホームページで「ペットフード事業」を展開していることを知り、心惹かれたといいます。
幼いころから出汁(だし)の味が大好きだった牛尾さんにとって、
「大学で学んだ知識を活かせる」「食品と動物、どちらの分野にも携われる」という仕事はまさに理想的。
「自分にぴったりの仕事だ」と感じ、入社を決意しました。


「ペットフード開発人」として、自社ブランド立ち上げに奔走中
牛尾さんが所属するのは、新規事業開発部。
4人のチームで、鰹や鮪など魚素材を生かした味付け(コーティング)の研究・開発を行っています。
「配合をほんの少し変えるだけで、食いつきがまったく違うんです」
仕事内容は、原料の選定や味付け設計、嗜好性テスト、パッケージ内容量の検討まで多岐にわたります。
企業から依頼を受けて製品を開発する受託開発(OEM)では、
それぞれのブランドコンセプトや原料特性に合わせて
最適な「香り」「味」「食感」のバランスを設計しています。
試作品をつくっては改良を重ね、地域の飼い主や愛護団体の協力を得ながら、実際の反応を確かめています。
そうした知見を生かし、現在は同社初となる自社ブランド「MaruNeko」の立ち上げに向けて開発にも注力中。





『猫がよく食べている』『販売が待ち遠しい』という声をいただくと、本当に励みになります。『ペットフード開発人』として、犬や猫にとって安心で魅力的な商品を届けたいです!
猫の気持ちに寄り添う、“香り設計”の開発
試行錯誤を繰り返す中で、牛尾さんがたどり着いたのは「香り」の大切さでした。



猫ちゃんは味よりも香りで食べる動物なんです。
そう語る彼女の業務で大切にしているのは、開封した瞬間にふわっと広がる香りの良さ。
焼津のだし屋としての技術を活かし、かつおやまぐろの粉末、
さらにはチーズやヤギミルクなどの素材を組み合わせ、猫が思わず食べたくなる香りを設計しているのだといいます。
固定概念にとらわれず、新しい発想を歓迎する職場
前向きな牛尾さんを支えるのは、挑戦を後押ししてくれるチームです。
「まずはやってみよう」と背中を押してくれる風土があり、失敗を恐れず意見を出せる環境があります。



すぐに新しいことに挑戦できるのは中小企業の強み。大きな会社にはない視点や考え方で、印象に残る商品を作りたいです。
そして「いつか、犬や猫以外の小動物向けのペットフードの開発もしてみたいですね」と次の夢も教えてくださいました。固定概念にとらわれず、新たな商品づくりに挑む姿勢が、彼女の次の目標を支えています。
自分の「好きなこと」「やりたいこと」を大切に


自身の就活を振り返って、周りに惑わされず、自分の好きなことややりたいことを大切にしてほしいと牛尾さん。
「すべてがすぐ仕事につながるわけではないけれど、
自分の興味や得意を覚えていて、形にする場を与えてくれる人が必ずいます。
そのチャンスをつかむためにも、“好き”を大事にしてほしいですね」
牛尾さんの言葉や表情からは、
好きなことを原動力に、商品や仕事への誇り、そして頼もしい仲間と好きな仕事をする楽しさが伝わってきました。
上司からも「情熱がある」と期待される牛尾さん。今後の活躍が楽しみです。



就職を考える人へ
マルテ小林商店は、鰹節から取れる出汁で、さまざまな料理のおいしさを裏側から支えています。名前を誰もが知っているわけではないと思いますが、日本中・世界中の人やペットを感動させられるんです。一緒に“おいしい”をつくる仕事をしませんか?
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株式会社マルテ小林商店
マルテ小林商店は国内屈指の生産量を誇る創業78年の食品メーカーです。焼津の地場産業である鰹節という伝統ある製品を基盤に、調味料事業・ペットフード事業への挑戦を続け近年では日本全国のお客様とのお取引をさせていただいております。 マルテ本社工場 パワーあふれるチーム! ともに働く仲間 若手が活躍しています! 開発部門 私たち… -



食の幸せを日本、世界の食卓へ。だし屋・マルテ小林商店が拓く新たな成長市場
和食のうま味に欠かせない出汁(だし)。そんな日本の食文化を支える鰹節づくりとともに歩んできたのがマルテ小林商店です。焼津市で創業して75年、伝統の味づくりを守りながら、調味料やペットフードなど新たな分野にも挑戦。 “出汁の力”を通じて、世界を見据えた挑戦を続けています。だし屋ならではの発想で、“おいしさ”の可能性を広げるも… -



「好き」が導いた出会いから、おいしい味と香りをつくる仕事へ。 ― ペットフード開発人・牛尾亜里紗さん(マルテ小林商店)
鰹節製造を手掛けるマルテ小林商店の新規事業開発部には、ペットフードの自社ブランド開発に挑む若者がいます。入社4年目の牛尾亜里紗さん。持ち前の明るさと情熱で商品化を目指して試行錯誤の日々を送っています。そのやりがいと、好きなことを仕事にする喜び、そして挑戦を後押しする会社の魅力を聞きました。 【食品と動物、両方に携われ…