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偶然に、時代の変化の先手を打って 〜㈲一筋運輸、この20年〜———㈲一筋運輸インタビューVol.1

昭和58年、地元焼津かつお節有名メーカーの専属運送物流会社として創業して43年目。有限会社一筋運輸はこの20年の大きく変化を繰り返す時代の荒波をかいくぐり、求められるニーズに合わせて自社の物流サービスを変化・進化させてきました。

 有限会社 一筋運輸 松村英雄代表にお話を伺いしました。

「リーマンショック以降、東日本大震災、高速道路料金事実上の値上げ、原油高による燃料高騰…と、この二十数年は運送会社を経営する身として試練の連続でした」

 松村代表は、語り始めました。

 製造業各メーカーはコスト削減と効率の観点から、大量まとめ輸送から日々必要な分の少量輸送へシフトしていきました。そのシワ寄せは配送を担う運送会社に大きな影響を与えました。

 (有)一筋運輸は大型トラックで遠方への夜間の幹線輸送もしていましたが、総合的なコストの兼ね合いを考え、こうした幹線輸送は減らしていき、焼津市を中心とした地域の配送業務へとシフトしていく決断をしました。

「夜間輸送もやめて、日中だけの勤務形態へ変えていく決断もこの頃にしました」
 今から20年前を振り返って、代表は言いました。

 無償化すると聞いていた高速道路料金は政権が変わり、ETCの導入で割引にはなったものの、当時から比べると年々値上がっており、追い討ちをかけるように原油高による燃料高騰で、トラック輸送は更なる打撃を受けることになります。

 しかしながら、この時すでに(有)一筋運輸は幹線輸送から地域配送へのシフトが進んでおり、燃料コスト・有料道路使用コストに関する影響はさほど受けずに済んだと言います。
 
 免許制度の改正で、改正前と違い即戦力の働き手がなかなか見つからないという問題も出てきます。特に将来のある若い働き手が来ない、という業界の現状がありました。

 (有)一筋運輸では現在、22歳から63歳までの働き手がいるそうです。従業員の平均年齢は40代後半、業界では若い方だと言います。

「早い段階で、日中の勤務中心に変えたこと、未経験の方への中型・大型免許取得制度の活用が良かったのかもしれません」

 若い人や結婚したばかりの人、小さなお子さんのいる人にとって、日勤は働きやすいのです。

 お聞きしていると、燃料高騰や人手不足を予見して対策の先手を打ってきたかのようです。将来の、長距離幹線輸送の自動運転化や労働時間の制限に対しても、すでに問題をクリアできているかのようです。

「時代の変化に対して先手を打ってきたようにも見えますが、偶然の結果なんです」

 松村代表はそう断言しました。確かに予測不可能な事柄もあり、偶然の結果なのでしょう。しかしながら、まるで運を味方につけたようなこの結果は、偶然と一言で片付けるには腑に落ちない気持ちもありました。

 今から20年前、先代の急逝により経営の右も左もわからないまま代表に就任した二代目。それまで首都圏でアパレルのお仕事をされていたとお聞きしました。

 この20年の数々の決断が、まるで先手を打ったかのような結果をもたらしたのは、それまで見てきた先代の築いてきた礎に無意識にも導かれ、実直に継承していたからなのではないか、そう考えるのが自然であり納得できるとそんな風に思ってしまいました。

執筆者:武田宗徳(C’mon Wakamon編集部)
藤枝生まれ藤枝育ちの二児の父。20年ほど続けてきたサラリーマン生活に終止符を打ち、現在は執筆業を中心に活動している。

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