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焼津ではじまり焼津に還る~フィッシュをフィニッシュまで~———㈱焼津ミールインタビューVol.1

静岡県焼津市の水産加工工業団地内にある株式会社焼津ミール。水産資源のリサイクル業務を運営し、日本一の水揚げ量を誇る焼津市の水産加工業界を約60年ささえ続けている。

【事業内容】水産加工/水産資源のリサイクル
【製品】マグロ油(全国トップシェア)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、食用油脂、飼料・肥料用の魚粉、濃縮エキス、ソリューブル
【製造】水産資源の高度利用、煮熟・圧搾処理、スチーム式乾燥、オゾン排気洗浄、排水処理など

水産資源から搾取した魚油を使ったサプリメント

水産加工工場などで出た魚の残渣(ざんさ)は機械を使って処理し、使えるものとそうでないものに分ける。使えるものは、食用油脂やサプリメント、飼料用魚粉などに生まれかわり、そうでないものは、適正な処理によって自然に還していく。

焼津で水揚げされたものからはじまり、焼津の環境にもどす。

焼津ミールのキャッチコピー『フィッシュをフィニッシュまで』は、この一連の流れから生まれたコピーであることがよくわかる。

価値がないとされていたものが財産にかわるまで

焼津ミールのはじまりは昭和40年。漁業の盛んなまち焼津は、魚をおいしく料理して食べられるほかに、缶づめ、かつお節、かまぼこや練り製品などの加工商品の製造も盛んにおこなわれていた。

水産物を加工する過程で出る、頭や骨、内臓などは、当時は『価値のない廃棄物』として扱われていた。毎日の加工により排出される廃棄物の量は1日80トンと膨大。大気や河川を汚す原因となった。

そこで悪臭公害等に悩む行政の指導に共鳴したのが、5名の水産資源のリサイクル業者。焼津ミール企業組合を設立。それまで『価値のない廃棄物』だったものを有効利用し、飼料や肥料用の魚粉、サプリメントなどに使われる魚油など高度利用に生まれかわった。

高度の公害防止対策の実施により、汚水や悪臭を適正に処理し、環境の安全につとめ、現在に至る。

廃棄物を有効利用した飼育・肥料用の魚粉

今までも、これからも

焼津市の有益な水産資源を使って、より良い環境作りを継続していきたいと考えている。

そのためには、地域のみなさまと一緒に取り組むことも大事。中学生や行政の方へ向けたSDGsの勉強の一環として、工場見学にも力を入れている。お魚を食べたあと、骨や内臓など食べられなかった部位はどのようにして廃棄処分されるのか、または再利用しているのか。それらを実際に見て感じて知ってもらうことで、環境への意識が変わるのではなかろうか。

年々厳しくなっていく環境問題。

どのような時代になっても、じゅうぶんに対応できるようにしてゆきたい。地域のみなさまと一緒に協力しあいながら、『価値のない廃棄物』を、『価値ある資源』に作りかえていく。半世紀を越えた持続可能な取り組みは、SDGsという言葉が生まれるずっと前からはじまっていたのだった。 

執筆者: 本田秋江 (C’mon Wakamon編集部)
生まれも育ちも嫁に行っても藤枝市。高校卒業後、進学のため上京。
学生時代はディズニーシーの立ち上げや造形製作に携わる。
新卒でNHK入局。番組CG制作を担当。その後、ゲーム会社にてキャラクターデザイン製作に携わるも、30歳を機に帰静。
CM制作ディレクター、雑誌の編集デザイナーを経て、30年続けているヨガの勉強をしに渡印。インストラクターの資格を修得。
IT企業や広報を経て、2017年「クリエイティブスタジオ赤飯」創立。事業内容は広告・パンフレット等、紙媒体を中心としたデザイン製作。
趣味はヨガとポタリング。

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