インターンシップや1日仕事体験、会社見学会など、学生の受け入れをしている地元企業では、どのような体験・学びが得られるのでしょうか? 今回は、地元企業4社よりレポート記事をお届けします。
介護の仕事の魅力を体感 by 特別養護老人ホーム高麓
どのようなプログラムを開催しましたか?
2daysは対面で8、9月に2回実施。1dayは1日と半日コースに分け、対面とwebのハイブリッドで7月~9月、12月~2月で月に1回実施。どちらも対象は高校生~大学生まで幅広く対応し、早期から自分のキャリアについて考える一助としています。
【2days】
内容:
お客様の望む暮らしを食の観点から食べたいおやつを聞き出し、他学生と合議のうえで演出を含め提供する実務体験。
この体験で得られること:
・異なる世代とのコミュニケーション能力
・企画力
・合議制で1つの物事を集約していく力
・高齢者の身体状況と適したサポートの仕方
・チームでの達成感
・望む暮らしを実現できた時の喜び、やりがい など
【1day】
内容:
介護の仕事・業界の基本的知識が学べるほか、車椅子での施設見学、インカム着用体験、リフト移乗体験、食事介助体験、レクリエーション体験、先輩職員とのワークショップを通して介護の仕事やりがいを学ぶ。
この体験で得られること:
・介護の基本的な仕事の知識
・介護業界の知識
・体験を通した介護の仕事への適正
・介護機器の体験
・高齢者とのコミュニケーション能力 など
業界・自社ならでは
・高齢者とのコミュニケーションの機会は高齢者福祉業ならでは
・2daysは高麓ならではの内容だと思います
・移乗リフトやインカムの機器は他施設で経験できる場所は多くないと思います
・高麓で出会う職員と肌で感じる職場の空気感は「高麓」だけ
参加者の様子や社員との関わり方
実務体験は実際の指導職員のように若手がサポートします。1日就業体験も同様です。お昼や軽食時も学生が知りたいことや趣味の話などざっくばらんな会話をします。
学生さんは始め緊張してましたが、時間の経過とともに職員との会話に慣れ、ほぐれていった様子で、企画の意図を感じ取ってもらえたと思います。特に2daysでは入居者のニーズを聞き出し、身体状況に配慮しながらも合議の上で企画化するという難しい内容でした。ですが、お客様の笑顔のためという意図をくみ取ってもらえたため、チームワークをもって企画実現し、「お客様の望みを叶える」というやりがいを感じてもらえました。また、職員側から見て、短期間の間にも学生の成長が見られ、嬉しくなりました。
参加した学生からは、「自分の企画でお客様が喜んでくれて嬉しかった」「介護の仕事の理解が深まった」「興味があった介護機器が体験できた」「インカムの便利さがわかった」「お客様と話せて楽しかった」「介護業界のインターンシップの中ではなかなか体験できない内容だった」などの感想がありました。
学生の皆さんへメッセージ
説明会とは違い、その仕事の実情を知る貴重な体験がインターンシップです。実習とも違う、実務体験で自分自身がその仕事に向いているか、向いていないか。やりたいか、やりたくないか。その企業が合っているか、合っていないか。働くとはどういうことか。これから先の自分自身のキャリアを考えるためにぜひ参加してください。
やってみないとわからないことはたくさんあります。長い人生自分らしく生きるためにぜひやってから、悩んでみてください。
特別養護老人ホーム高麓
森拓也(高麓 採用担当 創造戦略部長)
ホンモノを身近に感じる体験 by ショウケンガリレイ(藤枝市・製造業)
どのようなプログラムを開催しましたか?
体験日数を数パターン用意し、学生が参加しやすいようにしました。3日以上を希望の場合は、社内にある全部署の仕事紹介を聞くことができます。今まで興味のなかった職種にも触れ、視野を広げる機会になればと思っています。
機械メーカーなので、まずは弊社が製造しているホンモノの機械を見ていただきます。写真や動画では伝わらない繊細さや迫力を、間近で味わえます。
業界・自社ならでは
普段の会社説明会と違い、実際にその部署で働いている社員から直接の仕事紹介します。人事担当者の説明だけではわからない仕事のリアルを、より知ることができます。
参加者の様子や社員との関わり方
全体朝礼より参加し、なるべく社員と同じように過ごしていただきます。 休憩なども若手社員と一緒に過すので、多くの社員と交流で、会社の雰囲気を感じることができます。
ご参加いただいた学生も最初は緊張した面持ちでしたが、徐々に社員とのコミュニケーションが増え、自ら質問したり会話を交えたりと、熱心に指導や説明を受けている様子でした。
学生の皆さんへメッセージ
仕事を体験できることも大きな成果ですが、WEBや説明会だけではわからない会社の雰囲気やそこで働いている人たちを実際に見られるのが、インターンシップや仕事体験の醍醐味だと思います。気になる会社に出向けるチャンスがあればぜひ参加し、実際に働くホンモノの社員やホンモノの製品、ホンモノの会社をじっくり体感してください。
ショウケンガリレイ株式会社
H
珍しい業界を体験してほしい! by 焼津冷凍(藤枝市・交通/運輸業)
弊社では今年、3日間のインターンシップを開催しました。
会社概要だけでなく、業界や仕事の必要性などを理解してもらえるようなプログラムとして、就業体験やグループワークを盛り込みました。
あまり知られていない私たちの仕事を知ってもらうプログラムです。
就業体験では、社員の指導のもと実際の仕事を体験し、仕事の理解や必要性を学び、グループワークでは業界に絡めた課題にすることで、業界理解の促進につなげられるようにしました。
また、インターンシップや会社説明会で共通して行っている体験が、-60℃の超低温体験です。
冷凍倉庫を持つ弊社では、超低温と呼ばれる-60℃を活用したマグロ等の保管をしており、インターンシップや会社説明会では実際にその倉庫に入ってもらうようにスケジュールを組んでいます。学生からは「寒かったけど、とても貴重な体験だった」との声があり、他では体験できないものだと思います。
その他にも、弊社では1日仕事体験を開催しました。こちらは就業体験がないのですが、社内勉強会の体験をしてもらうプログラムとなっています。実際に勉強会で講師を務める弊社取締役に登壇してもらい、社内勉強会の内容を再現します。学生から「自己分析にも繋がる、面白いセミナーだった」という言葉も頂いており、好評のプログラムとなっています。
学生の皆さんへメッセージ
インターンシップへの参加は、仕事だけでなく業界を知る機会になります。
そして何より、社会人の人と直接話ができる機会です。家族や先生以外に話が出来る機会はそうありません。
積極的に参加して、さまざまなことを学んでください。
株式会社焼津冷凍
永田
こどもサポート教室 職場見学・仕事体験会 by クラ・ゼミ(藤枝市ほか・教育/学習支援業)
どのようなプログラムを開催しましたか?
・全国展開しており全国各地の教室をZOOMでつなぎ会社説明、職場見学、遠隔支援の体験などを実施
・10月後半から2月後半まで9回実施予定
・主にこどもサポートの児童指導員さん向け
児童福祉法に基づく児童発達支援や、放課後等デイサービスを運営する教室で、個別療育を提供している事業所の紹介を交えながら支援活動を体験できます。
業界・自社ならでは
発達に凸凹のあるお子さんたちとの関わり、支援提供の様子をビデオ視聴およびライブ配信を実施。普段は見る機会の少ない、支援の様子を紹介。また、遠隔支援のデモ支援に参加。支援を体験することで具体的な児童指導員の仕事を体験していただきました。
参加者の様子や社員との関わり方
会社説明などの部分では固さも見られましたが、ライブ配信でお子さんとの関わりの場面になると、皆さん笑顔でした。
入社3年目位の先輩社員2名からは、学生さん向けにメッセージを用意。先輩社員メッセージの後に、質疑応答の時間を設けています。また、学生参加型の遠隔支援体験も実施。学生の皆さんはお子さん役で参加し、児童指導員の先生方の活き活きとした仕事振りを体験していただきました。
学生からは「アットホームさや、児童に寄り添って支援していることが伝わった」という感想がありました。また、今回主に対応した若手社員も「楽しそうに話してくれて安心した」と話していました。
学生の皆さんへメッセージ
子供達の成長の瞬間に立ち会うことができる、こどもサポート教室の仕事に興味を持っていただけるとうれしいです。
株式会社クラ・ゼミ
永井伸夫