カツオタタキの製造を主に40年以上続けている水産加工会社「株式会社南食品」で、本社、塩谷工場長にお話を聞きました。
「学生の頃は、やりたいことも目指しているモノも特になかったんです」
大学時代、就職活動をしていた19年前を振り返って、塩谷工場長は言いました。
何も考えずに進学した大学時代に、レストランや居酒屋でアルバイトをしていた経験から、食品に関わる仕事をしたい、と思うようになったと言います。とはいえ、食品関連ならどこでもよかった、とそれほど強いこだわりは無かったようです。
「たまたま入社した会社ですが、働いていくうちに仕事が楽しくなっていきました」
自らの経験を赤裸々に話しながら、好きなことを仕事にしたいと考える若い人が多いなか、会社に勤めてから仕事が好きになっていく場合もある、と工場長は言います。
「工場長になりたいとは全く思っていなかったのですが、会社から『どうだ?』と言われて引き受けました。部下を持つ仕事は大変ですが、やりがいも感じながらこなしています。会社が、自分の知らなかった能力を引き出してくれたようで、今では感謝しています」
若いときにやりたいことを見つけられる人は、ほとんどいないのが現実です。会社で働くようになって初めて、自分の好きな仕事・やりたい仕事がみつかることがあります。
「やってみないと、わからないですよね」
笑顔で言う塩谷工場長の目は、やる気に満ちた力がこもっていました。
執筆者:武田宗徳(C’mon Wakamon編集部)
藤枝生まれ藤枝育ちの二児の父。20年ほど続けてきたサラリーマン生活に終止符を打ち、現在は執筆業を中心に活動している。
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株式会社南食品
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